関西大学文学部(第2部) 2002年度

美学・藝術学概論


【講義概要】
 美学という学問は、18世紀ヨーロッパにおいて美そのものの学というよりも、むしろ感性の学として成立した。しかし、その根源は古くから人類が行ってきた、美への深い洞察が基となっており、近代以降の諸議論も古代(紀元後4世紀以前)の思想に多くを負っている。本講義では、ヴィデオ・図版・CDなどを利用して実際の藝術作品を参照しつつ、古代ギリシア文化とキリスト教という、ヨーロッパ世界を構成する2つの柱をめぐって、美への洞察がいかに行われてきたかを講述する。

【授業計画】

1 美と藝術の根元
(1)藝術のもとにあるもの
(2)美とは何か?

2 西洋古代の美学
(1) 藝術観の諸相:プラトンの詩人追放論とアリストテレス『詩学』
(2) 古代ギリシア思想における美
(3) ギリシア悲劇の世界観

3 西洋中世・ルネサンスの美学
(1) キリスト教思想における美
(2) キリスト教音楽の世界観:グレゴリオ聖歌とミサ曲における音楽と言葉の関係
(3) キリスト教美術の世界観:遠近法絵画の展開

4 西洋近代の美学
(1) 感性論としての美学の成立
(2) カント『判断力批判』
(3) 美と藝術の関係:近代美学における美の自律性をめぐって

【評価の方法】
試験は行わずに、平常点で総合的に評価する。

《講義中に書いてもらった論述課題》
(単位取得希望者は、下記の3通すべてを提出してください。)

(1)プラトンのいわゆる「詩人追放論」に対して、賛成と反対の両方の立場から議論しなさい。
(2)アリストテレス『詩学』の理論は、実際の悲劇作品にどの程度妥当するのであろうか。各自、劇・映画・テレビドラマ等から任意の実例(時代、地域を問わない)を挙げて論じなさい。
(3)藝術はどのようにして美に近づいているか(あるいは遠ざかっているか)論じなさい。

書式・枚数: 各回ともA4横書き(B5横書きも可)で1000字程度(あるいはそれ以上)。
提出先・〆切: 12月16日(月)まで講義時に加藤まで直接提出。12月17日(火)以降は、未提出分をステープラー(ホッチキス)で一冊にまとめ、2003年1月18日(土)までに第2部事務室に提出。

【教科書】
講義時に配布する資料を用いる。

【参考書】
教室で適宜指示する。
なお、基本的文献については詳細な文献表を配布するので、それを参照されたい。


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