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関西大学文学部(フレックスタイム・コース) 2003年度
藝術学概論 a,b
【講義概要】
前期はキリスト教音楽の歴史的変遷を学ぶ。後期はそれらを産み出した美学的思想背景を学びつつ、典礼音楽以外の諸藝術についても講述する。前後期とも、可能な限りCD・DVD・図版などを利用して実際の作品を参照しつつ、ヨーロッパ世界における文化的支柱がどのように形成されてきたのかを考察する。
【授業計画】
前期 藝術学概論a 「キリスト教音楽の歴史」
序 「音楽と言葉」について
1 古代の音楽とキリスト教典礼音楽の誕生
(1) ギリシア、ユダヤにおける音楽的伝統
(2) グレゴリオ聖歌前史
2 中世の典礼音楽
(1) グレゴリオ聖歌と教会旋法
(2) キリスト教典礼と音楽
(3) 自由学藝の「音楽」: ボエティウス『音楽教程』
(3) 多声音楽の発生: オルガヌムとリズム・モード
3 15世紀から17世紀の典礼音楽
(1) フランドル: デュファイとジョスカン・デ・プレ
(2) イタリア: パレストリーナからモンテヴェルディへ
(3) 宗教改革と音楽
4 18世紀の典礼音楽
(1) バッハ I : 教会カンタータ・声楽曲
(2) バッハ II : オルガン曲・器楽曲
(3) ヘンデル
5 19世紀、20世紀の教会音楽
(1) 「ロマン派」: モーツァルト以降
(2) 現代の典礼と「宗教音楽」
後期 藝術学概論b 「西洋美学史」
1 古代哲学の藝術思想
(1) プラトン『国家』:「詩人追放論」で追放されるべきもの
(2) プラトン『法律』:藝術に要請されるものとその現代的意義
(3) アリストテレス『詩学』:模倣論の意義−古代から現代へ
2 中世・ルネサンスの藝術思想と近代「美学」の誕生
(1) アウグスティヌスの藝術観と中世の藝術
(2) アルベルティとレオナルドの藝術観と「近代」が対峙した問題
(3) 趣味論と「美学(aesthetica)」
3 カント『判断力批判』
(1) 構想力と悟性:イマジネーションとは何だろう?
(2) 美的判断は趣味判断であるということ
(3) 共通感覚:共同体という視点について
(4) 美と崇高:「快」と「不快」を省察する
4 ヘーゲル『美学講義』
(1) 「藝術の終焉」論:藝術は「終わる」のか?
(2) ヘーゲルとヘーゲル以後:「藝術学」の展開
5 現代美学の諸問題
(1) 現代美学の射程:「感性論」の可能性について
(2) まとめ
【評価の方法】
試験は行わずに、平常点(講義中の小論文)で総合的に評価する。
【教科書】 特に指定はせず、講義時に配布する資料を用いる。必要に応じて下記の参考文献を参照されたい。
【参考文献】(前期分)
アーペル, W. 『ポリフォニー音楽の記譜法:1450〜1600年』 東川清一訳、春秋社、1998
今谷和徳 『ルネサンスの音楽家たち』 全2巻、東京書籍、1993, 1996
今道友信 編 『精神と音楽の交響:西洋音楽美学の流れ』 音楽之友社、1997
金澤正剛 『中世音楽の精神史:グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』 講談社、1998
金澤正剛 『キリスト教音楽の歴史:初代教会からJ.S.バッハまで』 日本基督教団出版局、2001
カルディーヌ, E. 『グレゴリオ聖歌セミオロジー』 水嶋良雄訳、音楽之友社、1997
カルディーヌ, E. 『グレゴリオ聖歌の歌唱法』 水嶋良雄/高橋正道訳、音楽之友社、2002
川端純四郎 『キリスト教音楽の歴史』 日本基督教団出版局、1999
グラウト, D. J./パリスカ, C. V. 『新西洋音楽史』 全3巻、 戸口幸策/津上英輔/寺西基之訳、音楽之友社、1998, 1998, 2001
ゲオルギアーデス, T. G. 『音楽と言語』 木村 敏訳、講談社学術文庫、1994
相良憲昭 『音楽史の中のミサ曲』 音楽之友社、1993
高橋正平 『レクィエム・ハンドブック』 東京音楽社、1991
田村和紀夫 『名曲が語る音楽史:グレゴリオ聖歌からボブ・ディランまで』 音楽之友社、2000
辻 壮一 『キリスト教音楽の歴史』 日本基督教団出版局、1979
ティンクトリス, J. 『音楽用語定義集』 中世ルネサンス音楽史研究会訳、シンフォニア、1979
中村雄二郎 『精神のフーガ』 小学館、2000
ハーパー, J. 『中世キリスト教の典礼と音楽』 佐々木 勉/那須輝彦訳、教文館、2000
三ヶ尻 正 『ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック』 ショパン、2001
水嶋良雄 『グレゴリオ聖歌』 音楽之友社、1966
皆川達夫 『楽譜の歴史』 音楽之友社、1985
注: その他個別の問題を扱った文献については、講義中に案内する。
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