大阪明浄大学観光学部 2003年度

藝術と藝能
日本の伝統藝能:歌舞伎の世界
水曜日1限、木曜日1限

【科目系列】専門(展開)科目
【年次】1年次 【学期】通年 【単位】4単位


【講義の目的】
 演劇・オペラ・古典藝能等といった舞台上の上演(パフォーマンス)を中心とする藝能を広く概観し、その特質を学ぶ。
 今年度は日本の伝統藝能、とりわけ歌舞伎に焦点を当て、その内容と解釈を原典などの検討を通じて学ぶ。その際、各種視聴覚教材を用いて役者・語りの実演を聞き、発声・発音・間合いなどを体験する。またこれらと併行して、ヴィデオ・DVD等により、元の台本が実際の舞台にどのように制作されていくか、また時代の変遷に伴って原作がどのように変貌してきたかを考察する。

【受講に当たっての留意事項】
 この講義は映画鑑賞会ではないので、心得違いをしないこと。講義では毎回、参加者全員に台本等の朗読・暗唱を求め、この演習をもって出席とみなす(教室で座っているだけでは欠席扱いとする)。詳しくは第1回目の講義時に説明する。
 また受講生諸君には、各自が劇場などに赴いて実際の作品にできるだけ数多く触れるように、強く希望する。
 なお、科目に関する最新情報が担当者のWebサイトに掲載されている。試験、レポートに関する詳細や、諸連絡事項もこのWebサイトを通して周知するので、受講生はこまめにアクセスして最新の情報を得ておくこと。

【教科書】
 おくだ健太郎 『歌舞伎鑑賞ガイド』 ショトル・ミュージアム、小学館、1996
原典については、適宜ハンドアウトを使用する。

【参考書】
 講義中に適宜指示する。

【成績評価の方法】
 講義中に行う演習・暗唱等の諸活動、及び論述課題と学年末試験の成績に基づいて総合的に評価する。

単位取得の条件
(1) 講義時数の3分の2以上の参加があること
(2) 講義期間中に課すレポート、小テスト、暗唱テスト及び学年末試験(下記参照)をすべて受験していること
(i) レポート (4月中旬に指示、5月下旬に提出。)
(ii) 小テスト (7月上旬の講義中に実施。)
(iii) 暗唱テスト (12月上旬に実施。名せりふの暗唱を行う。)
(iv) 学年末試験 (1月下旬に実施。試験問題の一部は前もって講義中に指示する。)
 評点は、講義参加による平常点を全体の30%、レポート、小テスト、暗唱テストを合わせて全体の30%、学年末試験を全体の40%とし、合計で60%以上の得点をもって合格とする。



【講義計画】

前期
【第1回】
 導入(講義計画、講義の進め方についての説明)
 古くて新しい作品、それが古典である。書かれた時代は古くても、そこに込められた問題は現代の人間達にも切実な問題となっている。第1回目は、古典を学ぶ意義について講述するとともに、文楽・歌舞伎に携わる人々がどのように修行を積んでいくのかを学ぶ。

【第2〜6回】
 歌舞伎の基礎知識
 歌舞伎(及び文楽)を見る上で必要な基礎知識について講述する。
 (1) 歌舞伎の名作(狂言、舞踊)
 (2) 役者(歌舞伎の家、屋号、家紋)
 (3) 語りと唄(義太夫、清元、常磐津、長唄、お囃子)
 (4) 音楽(三味線、下座音楽)
 (5) 舞台と劇場

【第7〜9回】
 『勧進帳』
 歌舞伎十八番の有名な作品の一つで、能『安宅』からの翻案。義経と弁慶が、安宅(加賀の国、現在の石川県)の関守富樫の追求をのがれ、無事に関越えを果たすまでの物語。名作の持つスリルと情感を味わうとともに、能から歌舞伎へと伝統的主題が継承されていく過程についても学びたい。

【第10〜11回】
 『京鹿子娘道成寺』
 安珍と清姫の「道成寺伝説」を基にした作品。「道成寺」は、僧安珍に愛を拒まれた清姫が蛇に化けて、道成寺(現在の和歌山県日高郡)の鐘の中に隠れていた安珍を焼き殺してしまう物語だが、『娘道成寺』はその後日譚として繰りひろげられる。歌舞伎舞踊の見どころを重点的に味わいたい。

【第12〜13回】
 『義経千本桜』 四の切
 名作『義経千本桜』の全体を概観した後に、そのなかでも特に有名な、狐源九郎の恩愛物語「四の切」を取り上げる。クライマックスで壮大な宙乗りを見せる澤瀉屋型が有名であるが、親を思う子狐のこころを、ケレンを抑えてしっとりと訴える音羽屋型も味わい深い。講義では、両者を比較して味わいたい。

後期
【第14〜28回】
 『仮名手本忠臣蔵』
 後期は、名作『仮名手本忠臣蔵』(歌舞伎による上演)を味わう。適宜、文楽による上演との比較も行う。
 (1) 忠臣蔵とは
 (2) 大序 鶴ヶ丘社前の場
 (3) 三段目 殿中松の廊下の場
 (4) 四段目 扇ヶ谷館の場、表門の場
 (5) 五段目 山崎街道の場
 (6) 六段目 早野勘平住家の場
 (7) 七段目 祇園一力の場
 (8) 九段目 山科閑居の場
 (9) 十一段目 師直屋敷討入りの場


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