2005年度基礎演習II 講義要項
専門(基幹)科目
2年次配当、通年4単位
【Web版へのまえがき】
以下の講義要項に書いたことは、開学以来これまで4つの学年の基礎演習 II(2年生用)を私が担当して実際に行ってきた活動をベースに、来年度わざわざ自分からチョイスして来てくれる学生諸君のために更に中身を足したものです。「授業の目的」や「留意事項」の内容は、ゼミ生たちには普段から繰り返して言っていることですので、現1、2年生の加藤ゼミ生たちや加藤ゼミ出身の上級生たちが見たら、「なんだ、いつも加藤が言っていることを書いただけじゃないか」と思うことでしょう。ただ、それを知らない諸君が見ると少々刺激的に聞こえる文言が含まれているかと思います。
正直言いますと、私も講義要項にここまではっきりと「コワイ」ことを書いたのは初めてのことです。それを敢えて書かざるを得ないほど、講義や演習というものに対する認識が歪んでいるとしか思えない現実が、この学校には存在します。たいへん残念なことです。しかし、それは教官の私だけが感じていることではなく、1年生諸君の中にも、そういう空気を察して本学の講義・演習に物足りなさを感じている人が少なからずいるように見受けられます。実際、学生諸君との個人面談の折りに、そのような意見を言ってくれる人にしばしば出会います。
本ゼミはそういう人たちにとっても、少なくとも大学2年目の学修段階としては、十分手応えがあり満足できる内容を提供していると自負しております。また、3年次以降の専門演習とそこで課される卒業論文制作までを見据えて、それに十分対応できる基礎学力を養成する演習と指導を行います。多くの加藤ゼミ経験者たちが「もう発表や、レポートや、レジュメ作りは怖くない」と言ってくれたり、また分属先の専門演習の先生方からも出身学生が高い評価をいただいていることが、これらの活動で一定の成果をあげてきていることの何よりの証となってくれていると思います。どうか、より上のレベルを目指す諸君が果敢に参加してくれるよう、期待しています。
●授業の目的
「プレゼンテーションの方法と実践」
大学で学んでいくために(社会に出てからも)最低限必要な調査・発表・レポート作成などの技術を身に付けるとともに、各自の発表を聴いて討論していくことを通じてプレゼンテーションの方法を学ぶ(個人発表を前後期各1回ずつ行い、グループ発表は行わない)。
毎回の演習では、発表と討論に関する諸技術を徹底的に鍛え、また文章の書き方を練習する。主題に応じたアイディアの出し方や、構成法などを実習していくことによって、まとまった論文・レポートが書けるように練習する。これらを通じて、自分で問題を見つけ出し、その解決方法を探求して実行していく能力を養う。
●受講にあたっての留意事項
勉強の苦労を嫌がる人は、このゼミを選択してはいけない。物事を自分自身の力で考えていくということは試行錯誤の連続であり、それにはかなりの苦痛を伴うものである。また、自分の考えを言葉で書き表していく過程にも根気が必要である。当然ながら、ゼミの発表準備やレポート作成には各自かなりの自習時間を割くことになる。
ゼミで大切なのは、毎週の地道な「演習」を積み重ねていくことである。技術というものは何であれ、練習の地道な繰り返しによってしか身に付けることができない。受講生には、毎週の出席を怠らず、討論に積極的に参加するよう願いたい。
なお、科目に関する最新情報が担当者のWebサイトに掲載されている。発表、レポートに関する詳細や、諸連絡事項もこのWebサイトに掲示するので、受講生はこまめにアクセスして最新の情報を得ておくこと。
●教科書(授業で常時使用する分)
渡部昇一『知的生活の方法』講談社現代新書436、講談社、1976
その他、適宜ハンドアウトを用いる。
●参考書
必要に応じて適宜指示する。
●成績評価の方法
前後期の発表、演習毎に提出する小レポート及び前期末と学年末に課すレポートの成績に、平常の参加状況(出席数、発言数、発言内容等)を加味して総合的に評価する。
単位取得の条件
(1) 演習時数の3分の2以上の出席(=演習への参加及び小レポートの提出)があること
(2) 下記の4つの課題をすべて終了していること
(i) 前期発表 (前期講義期間中に各自1回ずつ発表)
(ii) 前期レポート (論題は6月下旬に指示、夏休み明けに提出)
(iii) 後期発表 (後期講義期間中に各自1回ずつ発表)
(iv) 後期レポート (論題は12月上旬に指示、1月中旬に提出)
(1)と(2)を満たした者についてのみ評価を行う。評価は(1)を全体の約30%、(2)を全体の約70%とし、合計して60%以上の得点をもって合格とする。
なお、(i)と(iii)の発表は、必ず決められた発表日に行うこと(発表日は各学期の始めに抽選等で決定する)。これを行わない者には単位を認定しない。代替課題を出すことはしないので、十分に注意すること。
●主題と内容
前期
【第1回】
プレゼンテーションの技法 (1): 構成とは何か?
きちんとした構成を組み立てて発表できるように、プレゼンテーションの方法を学ぶ。
前期発表の為の導入として、各自テーマを見出し、構成を考えて発表計画を作る。
前期の発表順番を決める。
知的生活の方法(講読) (1)
物事を考えて行く上では、分かることを「分かる」と言い、分からないことは「分からない」と言えるような正直さが、とりわけ重要である。ここでは、そういった知的な正直さ(Intellectual Honesty)というべきものについて学ぶ。
【第2回】
プレゼンテーションの技法 (2): 発表の構成法とハンドアウトの書き方
内容と構成を案出し、発表計画を作る。発表テーマを提出する。
知的生活の方法(講読) (2)
「考えても分からない」という状態は辛いものであるが、実はここに成長の鍵が隠されている。「分からない」ということの大切さについて学ぶ。
【第3回】
情報検索実習: コンピュータによる資料探し
コンピュータ教室を使って、調査・発表のための情報検索 (Information Retrieval) を実習する。
【第4回】
プレゼンテーションの技法 (3): 構成の探求
各自の発表テーマに基づいてより深く発表内容を考え、それにふさわしい構成を練る。
知的生活の方法(講読) (3)
「座右の書」とも呼べるような「私の古典」を作ることについて学ぶ。
【第5〜13回】
プレゼンテーション演習(第1回目)
各自が観光学を学んでいく上での課題を見つけ出し、それについて調査・研究して発表する。発表者以外の受講生(全員)は毎回、演習で聴いた発表を基に小レポートを作成して提出する。
後期
【第14回】
プレゼンテーションの技法 (4): 論文・レポートを書くために
より高度な内容を論じる本格的な論文・レポートを書くためには、どのような準備と手順が必要なのかを考える。
後期の発表順番を決める。
知的生活の方法(講読) (4)
勉強をしていくための空間を整えることについて学ぶ。
【第15回】
プレゼンテーションの技法 (5): テーマの吟味
後期発表に向けてテーマを考える。そのテーマが発表趣旨を的確に言い表しているか、また、主題範囲を十分に限定できているかを検討する。発表の内容を基に、仮の構成表を作る作業も行う。
知的生活の方法(講読) (5)
勉強をしていくためのさまざまな時間管理法について学ぶ。
【第16回】
プレゼンテーションの技法 (6): 構成の吟味
前回作成した仮構成表が適切であるかを検討する。
知的生活の方法(講読) (6)
勉強をしていく生活と日常生活との関わりについて学ぶ。
【第17〜26回】
プレゼンテーション演習(第2回目)
前期と同様、発表と討論を行う。前期よりもさらに良い発表を目指して欲しい。発表者以外の受講生(全員)は毎回、演習で聴いた発表を基に小レポートを作成して提出する。
もし時間に余裕があれば、最終回には2年間の基礎演習を総括し、3年生以降の展望も含めた大学生活について語り合いたい。