関西大学文学部 美学藝術学概論ab 2006年度
西洋藝術と美学思想の歴史
文学部 専門教育科目 (月6 前/後期)
【講義概要】
(春学期)人間は美というものをどのように考えてきたのか。藝術作品というものはどのように生み出されてきたのか。本講義春学期では、この問題を古代ギリシア文化とキリスト教という西洋世界を形成する2つの文化的支柱を基にして、古代からルネサンスまでを美学史・哲学史の視点から考察する。その際、作品を通した具体的な考察を重視して、講義中では主として音楽作品の実例を数多く使用し、また可能な限り文藝・美術・建築等といった作品にも言及していきたい。
(秋学期)引き続き秋学期には、いわゆる「西洋近代」以降の藝術を、特に感性/センスに関する諸議論に着目して、美学史・哲学史の視点から考察する。
【講義計画】
春学期
序 藝術のもとにあるもの: 藝術と言葉について
1 古代の藝術思想
(1) 古代ギリシアの文藝と音楽
(2) プラトン『国家』の「詩人追放論」
(3) プラトン『法律』: 藝術への要請とその現代的意義
(4) アリストテレス『詩学』: 模倣論の現在
2 中世の藝術思想
(1) キリスト教教義と藝術
(2) アウグスティヌス『告白』と中世の藝術観
(3) ボエティウス『音楽教程』と自由学藝としての音楽
3 ルネサンスの藝術思想
(1) 多声音楽の登場: 西洋における思想的意義
(2) フランドル楽派の多声音楽: ルネサンス藝術の考え方
(3) 絵画における遠近法の誕生: 時代の転換点
(4) ルネサンスの藝術論: アルベルティとレオナルド
(5) マニエリスムの藝術論: ヴァザーリ
秋学期
1 「近代」の藝術
(1) 対抗宗教改革と藝術: モンテヴェルディ
(2) 宗教改革と藝術: バッハ
(3) 「古典派」の理念と趣味論: モーツァルト
(4) 「美学(aesthetica)」誕生への道
2 18世紀の美学思想
(1) センスと感性: カント『判断力批判』
(2) 構想力と悟性: 認識の「構え」
(3) 美と崇高: 「快」と「不快」の省察
(4) 趣味判断と共通感覚論
4 19世紀の美学思想
(1) ヘーゲル『美学講義』と「藝術の終焉」論
(2) 「ロマン的」藝術の展開
5 現代美学の諸問題
(1) 身体論と藝術制作
(2) 現代美学の射程:「感性論」の可能性
【教科書】
講義時に配布する資料を用いる。
【参考書】
講義中に適宜紹介する。
【成績評価の方法】
定期試験を行わず、出席・レポート・臨時試験など(平常成績)で総合評価する。
(c) Motoaki Kato, 2006
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